欧州域内では、港と内陸の都市を結ぶ河川並びに水路網が広範に整備されているため、バージ輸送が非常に普及しており、Kalmar社製リーチスタッカーが大活躍していますが、今般、ベトナムでもバージ荷役の一翼を担うことになりました。
今年、Kalmar社は、ベトナムのバリア・ブンタウ省ティバイ河口に戦略的に位置するSSITターミナルに、リーチスタッカー Gloria DGR450-75S6HXSを初めて納入します。
SSITターミナルは、ベトナムのサイゴンポート社と国営船社であるビナライン社、および米国SSAマリン・シアトル & ワシントン社によって設立されたジョイントベンチャーで、2021年には60万TEUを超えるコンテナを取り扱いました。
SSITは、河川港として、バージ接続機能を拡大することになり、それに伴う荷役、特にコンテナの積み降ろし作業に対応するため、柔軟で機動性のある機器が必要になりました。
ベトナムでは、これ迄、バージ荷役というと、台座に固定された回転クレーンが一般的でしたが、柔軟性と機動性、そして信頼の置けるメンテナンスとアフターサービス体制が、Kalmar社製リーチスタッカーの優位性を証明しました。
特にGloriaは、回転性に優れた革新的なブーム設計と、幅広いアタッチメントオプションが特徴で、吊り上げ作業の効率性と安全性を向上させることができます。
例えば、通常のスプレッダーより爪が長いオーバーハイトレッグは、バージの底にある水面下に位置するコンテナも取り扱うことができ、また、高いキャビンからは、より安全な作業のための視界が確保できます。
さて、我社は昨年から本年度上期に合計7台のKalmar社製リーチスタッカーを販売いたしました。決め手になったのは、柔軟性と機動性に加え、信頼の置けるメンテナンスとアフターサービス体制です。
カーボン・ニュートラルやSDGsへの対応が迫られる中、Kalmar社もEV化への取り組みを加速しており、欧州では、既に、EVリーチスタッカーの販売を開始していますが、日本では、充電ステーションの整備の問題があり、受注は2023年末以降になる見込みです。
近い将来、日本でも環境に優しいバージ輸送がより一般的になり、Kalmar社製EVリーチスタッカーがより身近になる日が来ることを期待しています。
Y.T.