中国交通運輸省は2月12日の春節前後40日間の旅客数が延べ11億5200万人の見通しを発表した。旧正月は中国人に取って家族と過ごす一年で一番大切な行事である。そのために出稼ぎ労働者は大都市から故郷に帰省する。今年は新型コロナウイルス再発防止に躍起になっている政府の帰省自粛要請で公共交通機関使用に規制があるため、春節の風物詩のバイクで故郷に帰省する出稼ぎ労働者が更に増えるのではないだろうか。
中国汽車工業協会(CAAM)の2月10日発表によると、1月の自動車販売台数は前年同月比31.9%増の254万台に達し、うち乗用車販売台数は28.4%増の207万台に達する見通しを発表した。日本自動車メーカーの1月販売は、トヨタの18万9,500台。これは単月の販売として過去最高。10ケ月連続で前年実績を上回った。日産自動車も1月は23.8%増の14万6,245台。ホンダは15万7,457台で、4.8%増、7か月連続でプラス。一方、マツダは2万634台、1.6%減。三菱自動車は8,769台で8.4%減であった。中国汽車工業協会(CAAM)は2021年の自動車販売台数予想を4%増の2,600万台超、新エネルギー車(NEV)販売台数が40%増の180万台を見込んでいる。
5日米商務省発表の2020年貿易統計によると新型コロナウイルス対策の3兆ドルの巨額財政出動、巣ごもり消費が年後半の輸入を押し上げ、前年比5.9%増の過去最大貿易赤字9,049億4,000万ドルを記録した。通年でマイナスとなったが、後半に急回復したことが分かる。巣ごもり消費が回復のけん引役として如何に大きかったか?米国経済は10~12月にプラス成長を維持した。
米労働省が5日発表した1月の雇用統計の非農業部門の就業者数は、前月比4万9千人増、失業率は0.4%改善し6.3%。国内総生産(GDP)は危機前の水準近くまで持ち直してきている。2021年も輸入は堅調に推移すると見ている。議会がバイデン政権の追加の現金給付を含む約1.9兆ドルの追加財政出動が実現すれば、個人消費や企業の投資を後押しすることは間違いない。
Shipping Guideが米国小売業界(NRF)の6ケ月先までの予測を2月10日に引用している。2021年1月が前年同月比14.6%増の208万TEUと2019年1月の189万TEUを超え過去最高を記録する見込みである。2月は26.3%増の191万TEUと異例の高水準を維持するとみている。それは例年春節休暇により輸入量が減少するが、今年は中国の生産活動の休止は限定的と見られる上、米国西岸の沖合には現在、輸入貨物の荷揚待ちのコンテナ船が多数停泊。3月は193万TEUで、前年同月比41%増の新型コロナウイルス禍からの反動を見込む。4月は13.3%増の182万TEU、5月は23.8%増の190万TEUと推移し、2021年上半期は前年同期比22.1%増の1,150万TEUと予測している。
米国では1月上旬に30万人に及んでいた1日あたりの新感染者数が7日、10万人を下回った。感染者数が減り、ワクチン接種が進み、新型コロナウイルスは夏場にかけて収束する期待をうけて米国各州も規制緩和を進めている。
欧州連合(EU)統計局が2日、2020年10~12月期の実質域内総生産(GDP)が前期比で0.7%減少し、2四半期ぶりのマイナス成長に転落と発表した。新型コロナウイルスの感染拡大防止のために独仏のロックダウン導入が原因。その結果、欧州は今年に入り新規感染者数が大きく減少してきている。英国も、一時、1日あたりの新規感染者数が6万人を超えていたが、約4分の1に急減。それで3月8日から学校再開に動き出す。ドイツやイタリアでも感染者数は減少している。ドイツは2月10日、ロックダウン(都市封鎖)は3月7日まで続けるが、3月1日から理髪店の再開を認め、学校は各州が段階的に再開する判断をした。イタリアは2月1日、ローマ、ミラノでレストランの規制緩和に動きだした。各国とも段階的に正常化を模索し始めた。
上海航運交易所が5日に公表した上海発のコンテナ運賃は、欧州向け$4,324 per TEU、地中海向け$4,332 per TEU、米国西岸向け$4,076 per FEU、東岸向け$4,800 per FEUと、引き続き高水準を維持している。
中国・アジアのコンテナ不足は解決しておらず、各船会社は滞留している欧米の余剰在庫を臨時船、特別船を仕立てて回収に努力しているが、新型コロナウイルス感染防止対策、ロックダウン等での港湾労働者不足で、北米の主要港での荷役待ちの滞船問題で解決に時間を取られており、滞留コンテナ問題は長引きそうである。中国・アジアで船のスペースが無くて積めないというより、コンテナが無くて輸出できないと言う状況が発生している。
2021年1月末の中国新造コンテナの価格は、$3,500 per 20f。新造コンテナの工場残は216,692 TEU。1年前の2020年1月の20fの新造価格が$1,850。約1.9倍の値上がり。過去10年、歴史的に最高の価格と言わざるを得ないかもしれない。現在の$3,500 per 20f は1年前の40fHCの価格の約1.1倍。現在の40fHCの価格は$6,000以上となる。各工場も現在の注文をこなすために休日を短縮して操業に努めるようである。この価格を見て各リース会社は投機的購入をかなり控えざるを得ないと考える。しかし船会社が余剰地よりの持ち帰りがタイムリーにできないとなると引き続きリース会社の新造コンテナに頼らざるを得ないが、船会社も運賃高騰で収益改善した利益の一部を自社コンテナ購入に充て状況改善を図る動きもある。その結果コンテナ価格も高値安定となるもようである。1月の新造コンテナの総生産数は503,745 TEU。
日本政府は2日、10都府県について、新型コロナウイルス緊急事態宣言を3月7日まで1ヵ月延ばした。10都府県は東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、岐阜、大阪、京都、兵庫、福岡が該当する。日本全国の新規感染者数は1月9日の7,855人を境に減少傾向にあり、2月11日現在、1,826人で77%の減少している。12日にファイザー社製のワクチン40万回分がベルギーから到着し、遅ればせながら2月17日から医療従事者に接種が始まる。
日本を含み世界的に新型コロナウイルス新規感染者数減少と経済活動の日常化が少しずつ戻ってきているようである。新型コロナウイルスのパンデミックで1年延期となった2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催にとっては朗報である。世界の人に希望と勇気を与える世界的イヴェントが現実味を帯びてきているように思う。しかし、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長が女性蔑視発言で辞任に追い込まれ混乱している現状に、早く適切なリーダーが選出され2020年東京オリンピック・パラリンピックが成功裡に終わることを祈るばかりである。
昨年の12月、今年の2月はEFIにとって、願ってもない出来事があった。Thermo King社の日本代理店を受けている関係で、ワクチン運搬・貯蔵で話題の―70℃まで冷えるSuper Freezerを、12月8日に放映されたTBSテレビ“あさチャン!”で弊社の綱澤部長が紹介。また、2月13日朝7時放映のテレビ朝日“週刊ニュースリーダー”には大和田課長が出演。TOKIOの城島リーダーに一歩も引けを取らず、Super Freezer ―70℃の説得力ある説明をしていたのが印象的であった。その演出を陰で支えてくれたのが、Super Freezerを快く使用させてくれた琉球海運さん及び沖縄急送さん、並びに東京青海で取材場所の提供をしてくれた伊勢湾海運さんである。この場を借りて改めてお礼を申し上げたい。
小生も、昨年の10月24日の日本経済新聞に載った小生のコメント記事が縁で、テレビ東京の番組、WBSで“世界的コンテナ不足”についてのインタビューを2月9日午後3時に、UESのデポをお願いしている住友倉庫さんの横浜港本牧のコンテナデポで受け、同日夜11時の放映に顔を出すことになった。多くの人がご覧になっているようで、深夜の放送にも関わらず、多くのお客様・友人から“見たよ!”とのコメントをいただき、テレビ番組の影響の大きさを再確認した次第である。
毎月のコンテナ市況レポートとは別に、今年1月からその時のホットな話題を取り上げるYouTubeを始めた。小さい会社ではあるが、引き続き日本、いや世界に発信していきたいと考えている。