気象庁が7日、東海、関東甲信、北陸、東北南部の梅雨入りを宣言した。やっと異常気象の過去1ヵ月の夏日、真夏日の季節外れの暑さからしばらく解放される安堵感でいっぱいである。若い時は夏を心待ちにしていた。地平線の真っ白い入道雲が自由、湧き出てくるエネルギー、広がる夢、無限大の可能性を感じた。しかし年を取るにつけ夏が苦手になってきた。いつの頃か、照り付ける太陽の眩しさ、拭いても拭いても湧いてくる汗、それから来る気怠さが耐えられなくなってきた。まだ冬のほうが過ごしやすいと感じるこの頃である? 体質も歳とともに変わることを理解する必要がある。
世界銀行は1月に改訂した世界経済成長率を6月4日に下方修正した。米中貿易摩擦の激化による貿易、投資の減少が世界経済へ影響したことを考慮した。また、下記の予想は、米国による3000億ドル分の中国製品に対する新たな25%の追加関税は含んでいない。
世界銀行による2019年世界経済成長率予想
2019年 | 増減率 | 2020年 | 増減率 | |
世界全体 | 2.6 | -0.3 | 2.7 | -0.1 |
米国 | 2.5 | 0.0 | 1.7 | 0.0 |
ユーロ圏 | 1.2 | -0.4 | 1.4 | -0.1 |
日本 | 0.8 | -0.1 | 0.7 | 0.0 |
中国 | 6.2 | 0.0 | 6.1 | -0.1 |
世界貿易量 | 2.6 | -1.0 | 3.1 | -0.4 |
注1)前年比伸び率(%)
注2)増減率は今年1月に対しての修正率(6月 vs 1月)
Shipping Guideが英国のContainer Trades Statisticsがまとめた数字を引用している。4月の世界のコンテナ荷動き量は14,201,324TEUで、前年同月比3.2%増。前月比2.6%減。主要地域別にみると、極東は輸出が7,794,414TEU、前年同月比3.2%増。輸入は5,452,231TEU, 5.2%増。欧州は輸入が2,967,651TEU、8.9%増。輸出は2,628,429TEU, 8.5%増。一方、北米は輸入が、2,356,629TEU、0.1%減。輸出は1,390,914TEU、0.3%減。
米労働省の5月雇用統計によると、非農業部門就業者数は前月比75,000人増。3ヵ月ぶりの低水準ではあるが、失業率は前月と同じ、3.6%。1969年12月(3.5%)以来の低水準。平均時給は27.83ドル。前年同月比3.1%上昇。米国の人口は移民も含め年間236万人増加。米国国内総生産(GDP)の約70%を占める個人消費がアメリカ景気拡大を支えている。今年7月で歴史的に景気拡大期の最長記録、121ヵ月を更新する。
6月7日、トランプ大統領はメキシコへの5%の関税発動を見送った。2018年のメキシコからの輸入総額は3465億ドル。中国に次ぐ2番目の輸入国。米国はメキシコにとって輸出の約80%を占める。その約40%が自動車関連である。一方、米中貿易摩擦は知的財産侵害、産業補助金など中国の国家戦略に関わる問題を孕み、中国による報復関税の応酬により長期化の様相を呈してきた。
上記を受けて台湾、米国、日本勢の企業で生産拠点を中国以外に移転する動きが拡大している。また、中国企業の東南アジアへの投資が急増している。フィリピンは中国企業の誘致に動いている。ベトナムでは2019年1月から5月の中国からの新規投資認可額が前年同期比に比べ6倍弱に拡大、タイでも1月から3月に2倍に増えたと日経新聞が伝えている。グローバル企業の中国離れは別にしても、中国企業が率先して生産拠点を中国から東南アジアに移していることが明らかになった。
船会社は米中貿易摩擦の拡大に伴い、現状の適正運用コンテナ個数以上のコンテナを確保する必要がある。両国の輸出・輸入貨物が影響を受け、両国での輸入コンテナの通関に時間がかかりコンテナの稼働率が大幅に低下する。その上、中国から迂回輸出あるいは中国製品に代わる輸出国に対し配船あるいは増便で応じる必要がある。その対応のために新たなコンテナを手当てする必要がある。欧米の余剰コンテナを再配置するには時間とコストが掛かる。勿論どんな状況にあるにせよ、現在の米中間の貿易量がゼロにはならない。勿論時間をかけて変化していくにしても数カ月で解決する問題ではない。そのために船会社は引き続きコンテナリース会社に大きく頼らざるをえない現状がある。しかし船会社よる上記の対応いかんによりコンテナコストが収益に大きくかかわってくることが考えられる。
現状の新造コンテナ価格は、$1,800 per 20f。前月より$100 per 20f下がっている。新造コンテナの中国工場在庫数は、1,016,200TEU (Dry: 968,600TEU, Reefer: 47,600TEU)。
5月22日(水)から上海で始まったIntermodal ShowにEFIは6名が2泊3日で参加した。出来るだけ多くのスタッフに生の中国の現状、Intermodal の雰囲気を共有し、多くの人との出会いを仕事に生かしてもらいたいと願っている。米中貿易摩擦の最中のために、出展社の数も少なく、参加者も例年より賑わっていないように感じた。宿泊しているホテルからIntermodalの浦東会場に行くのに1時間近くかかったが、今年は渋滞も無く30~40分ぐらいで到着した。例年、会場でタクシーを拾うのに苦労したが、今年はタクシーが客待ちをしているのが目についた。そういえば上海虹橋飛行場の到着時も昨年ほど込んでいなくてスムーズに入国審査が終わった。これも米中貿易摩擦の影響が出ているのか?