気象庁は7月6日以降、数十年に一度起こる災害が予想されるとして、“大雨特別警報を西日本、1府10県に発令した。しかし河川の氾濫で、10日現在157人の死者、避難者10,049人。全壊、床下浸水の住宅被害は31道府件で計18,694棟を記録している。豪雨被害は鉄道、道路等のライフラインを寸断し、復旧の見通しが立っていない。これから何千人の人が避難生活を強いられることになるのか? 一方、6月18日午前8時前、マグニチュード6.1の地震が大阪北部を襲った。被害は死者3名、高槻市、茨木市内10万8000戸に対するガス供給停止。京都府で住宅一部損壊、2063棟の被害が出た。
関東甲信越地方は、6月29日に梅雨明け宣言が出され、例年7月21日の梅雨明けに比べて異例の速さとなった。皮肉なことに例年の2倍近い降雨量に見舞われた西日本も、7月9日に梅雨明け宣言が出された。自然といかに共生していくか今一度考える必要があると思う。
常に思う事であるが、ISOコンテナが、災害復興に自由に使用されるようにならないかとい言う事である。避難者の方々の住宅用に改造、援助物資の保管倉庫、瓦礫処理の運搬等々その利便性は大いにある。是非、行政に対してISOコンテナを国内で使用する場合、建築確認の運用を緩めてほしいと常々思っている。災害復興を速める利便性、安全性と大幅なコスト削減に役立つことは間違いないと確信する。
米国トランプ大統領は、“米国第一主義”を御旗に、3月に米国輸入の鉄鋼・アルミニウム製品にそれぞれ25%と10%の追加関税を発動した。中国は、それに対抗し、4月から米国からの輸入製品、ワイン、豚肉など128品目に対して25%の関税を設定した。またそれに対して、米国は、7月6日から半導体、ロボットなどの中国製品、818品目に340億ドルの追加関税を発動、中国も大豆、牛肉など農産品など545品目に同日付で、同規模の報復輸入関税で応じた。経済協力開発機構(OECD)の予測では、米国、欧州、中国で10%の関税が引き上げられると世界貿易量は10%下がるとみている。貿易戦争の様相である。物流会社、船会社にとって大きな影響が出てくる。
米国労働省が6日に6月雇用統計を発表した。非農業部門の雇用者数は、前月比213,000人増加。市場予測の19万人を上回った。失業率は4.0%と10ケ月振りに悪化。それは、企業の求人増で条件の良い職場への転職を見込んだ自発的な失業増とみている。一方、欧州経済は、欧州中央銀行(ECB)が6月の理事会で資産購入プログラムを年内で終了を決めた。量的緩和の減額・終了を意味し、金融緩和の正常化が進むことになる。それを決定づけたのが、ユーロ圏全体の賃金上昇、特にドイツの賃金上昇率は、3月前年比+2.3%, 4月前年比+2.7%で景気底堅さを示している。米国、欧州とも景気の動きについてはそれなりの勢いがある。
英国調査会社、Drewry Maritime Researchは、燃料高、用船料高でコンテナ船業界が、いかにEmergency Bunker Surcharge(EBS)を徴収できるかが収支改善を図る手段とみている。コンテナ船業界は2017年70億ドルの純利益を確保、黒字に転換、今年第一四半期(1-3月)は燃料油高騰で、12億ドル超の赤字に転落、第2四半期(4-6月)の業績好転は難しい、船会社はEBSを6月から徴収開始したが業績に十分反映されないとみている。第3四半期(7-9月)はピークシーズンで収益の改善は見込めるが、第4四半期(10-12月)不需要期に入り損益分岐点に達するのは難しいと予想する。
船会社のもう一つの問題は、2020年のSOx(硫黄酸化物)規制である。2020年1月から発効するSOxの規制により船舶の使用燃料で硫黄分濃度を0.5%未満に抑えることが義務化される。コンテナ船は現在、大半の船舶でC重油を燃料として使用しており規制の対応を迫られる。既存船を全てLNG燃料、スクラバー(排ガス処理装置)への変更は不可能に近い。そのため低硫黄燃料を主にせざるを得ないが、それを世界各地で十分手当てできるかという問題も抱えている。荷主へコスト転嫁をせざるを得ない。
6月末現在の中国新造コンテナ工場在庫は、Dryが91.1万TEU, Reeferが4.2万TEU合計95.3万TEU。リース会社の発注は半分以上を占めている。新造コンテナの価格は$2,200 per 20fである。
6月22日、昔の仲間7名と青森県下北半島の薬研温泉を一泊泊まりで訪ねた。東京駅から東北新幹線で八戸まで約3時間。八戸駅から大湊線で1時間、大湊駅で下車。びっくりしたのはJR東日本が出している”大人の休日倶楽部“パスを利用しているシニア―が多いと言う事である。東北新幹線のハヤブサ8号、大湊線も旅行を楽しむシニア―で通勤列車並みの込みようであった。
初めて訪れる日本三大霊場恐山。釜臥山頂の展望台から陸奥湾を眺める。美しい薬研渓流。秘湯の湯は肌に優しかった。温泉宿は、10月末から翌年3月まで無人となる。今でも忘れられないのは八戸駅で下車した時の空気の美味しかったこと。それは薬研渓谷のヒバ天然林の散策コースを歩いた時、大げさかもしれないが小生の肺、脳、肌、体全体が空気の美味しさを喜んでいるのを実感できた。生きる環境の大切さを感じた。
NIC入社2年目から50年近く続く温泉友の会である。船会社のOBの方も加わり、亡くなる人も出てきた。最後と言う事で小生も参加した。会の世話役岡野正一君に大感謝である。彼のお陰でこの会が長く続いた。設立メンバーの4名の内、小生も入れて3名が今回参加できた。参加がかなわなかった阿部昇氏が昨年11月に他界したのは残念である。最後に参加メンバー、他の6の名前を記して感謝と敬意を表したい。90歳のMOL OB尾形さん、MOL OB小林さん、MOL OB 西岡さん、NICの廣谷さん、設立メンバーの二人、83歳のもう一人の阿部さんと世話役の岡野君。