1年半振りのシンガポール出張である。羽田から2月21日(日)0時5分発シンガポール行を使った。朝7時前に着くので一日が有効に使えると思っていたが、着くやいなや日本での日頃の疲れと機上での寝不足がたたったのか軽い頭痛が止まらない。7時半にはホテルに到着した。ホテルで荷物を預かってもらい颯爽と動き回るどころでない。止む無くホテルにお願いし早めに部屋に入れてもらい仮眠をすることにした。但し、旅行社の提案のEarly Check Inを断っていたので部屋に入るのに10時まで待たされることになった。
Early Check Inするからとホテルに言ったにもかかわらず請求はされていなかった。そのサービスに感謝である。入るやいなや2時間ほど仮眠をとった。この原因はどうもB787の席の配置にあるように思う。従来の席の配置は2-4-2で、B787のエコノミー席の配置は3-3-3である。この並びは便利なようでかなり不自由である。特に両窓側席の人は大変である。席をたつのに2席分移動しなければならない。今までの席では全て1席分移動すると通路に出られた。席数から言ってもB787は1席多い。
小生の席は行き29Cであったので飛行機の席位置として真ん中くらいを考えていたが、席について見ると後ろから5席目であった。席幅も若干狭く感じた。夜中便は思った以上に盛況で満席であった。いつも通路側の席を確保してもらっているが、隣の人が落ち着きなく動く人で、電車の隣席の居眠り人のごとく寄りかかられて寝られたのには閉口した。窓側の人がトイレに立つときは他2席の人は通路に出ないと移動が難しい。また帰ってくるまで待つか一緒にトイレにいくしか方法が無いようだ。
キャビンアテンダントも食事時、窓際のお客の声掛け、配膳、回収に手間取っていた。キャビンアテンダントにとっても席の配置3-3-3は効率が悪そうである。飛行機会社にとっては従来の1列8人のところ9人で1人多くお客を乗せられるが、乗客にとってはサービスの低下である。乗り降りする時にも手荷物の入れ出しに時間がかなり掛かるように見える。緊急事態の脱出は2-4-2より時間がかるのは間違いない。乗客の安全性についても問題である。眠れなかったことを飛行機会社に文句を言っている訳ではないが。3-3-3の席配置のB787はお勧めできない。
中国は3月5日の全国人民代表大会で2020年までの5年間、年平均6.5%以上の成長率(中高速成長)を掲げた。機動的財政・金融政策の運用で安定成長の維持。過剰設備解消(鉄鋼業・石炭業等)、国有企業の改革、ゾンビ企業(利益を出せない企業)の整理、産業の高度化、環境汚染の抑制、人口1000万人以上の都市での雇用拡大、一人っ子政策の廃止(二人までの出産を認める)等々その経済効果に期待したい。
アジア開発銀行によると東南アジア主要5カ国の2015年10~12月期のGDPは5カ国加重平均前年比4.4%増加(インドネシア5%、タイ2.8%、マレーシア4.5%、シンガポール1.8%、フィリピン6.3%)。次の時代はAEC(ASEAN経済共同体)の時代である。発足してからまだ2.5ヶ月のASEAN10カ国からなるASEAN共同体ではあるが、人口6億2,000万人、域内GDP、2兆5000億ドル(約290兆円)の経済圏の本格的始動である。交通インフラの整備(鉄道、空港。道路、港湾等)のニーズ。人、物の移動の自由化がもたらす経済活動のダイナミックさは中国の低成長を補うものがある。創設メンバー内では品目数べースの域内関税撤廃は98%を達成している。後発メンバーのベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジアの4カ国も2018年までに全品目の域内関税を撤廃する。そのAECに世界中の熱い視線が注がれている。
船会社の買収、合併でアライアンスの再編成に直面している。2M(マースク・MSC), O3(CMA-CGM・China Shipping・UASC), G6(APL・Hapag・NYK・MOL・Hyundai・OOCL), CKYHE(COSCO・K Line・Yang Ming・Hanjin・Evergreen)のアライアンスがある。COSCOとChina Shippingの合併で残る新会社、China COSCOはO3に参加が有力視されている。CMA-CGMのAPL買収はAPLがG6から抜けることを意味する。現在HyundaiとHanjinの合併が話題になっている。またここに来てCOSCO・CMA-CGMがEvergreen・OOCLと新たなAllianceを作る話が出ている。船会社の今後の動向から目が離せない。
中国の新造コンテナ在庫数は1.2百万TEU。先月から約40万TEU減らした。船会社は引き続き新造コンテナへの入れ替えをしている。その結果リース会社のデポ在庫はさらに増加している。この状態が続くとリース会社の収支は一層悪化し悪循環に陥る。リース料収入の減少、デポ在庫増はデポコスト増を意味する。資金調達が難しくなる。この現状は巨大リース会社ほどその影響が大きくなる。小さなリース会社にとっては将来大きくなるチャンスの芽があると考え、船会社を選び、前向きに自分の規模、実力に合ったリースに取り組むべきである。
シンガポールを発つ前日の午後、シンガポールの友人が小生の仕事漬けの現状に同情し、ゴルフに誘ってくれた。9ホールだけだが、気分転換にとアレンジしてくれた。残念ながら前日までは晴れていた天気が、その日は朝からぐずつき、3時からのスタートの予定が、5時半のスタートとなった。しかしプレーができるかどうかゴルフ場に30分前に予約してプレーできるなんて日本では考えられない。終わったのは6時半。それからシャワーを浴び、かなりのボールを打ち込んだ湖を望む隣接するゴルフ場の野外レストランで夕食を御馳走になった。夕闇迫りだんだん薄暗くなっていく湖と鬱蒼と茂る木々を通り抜けて来る心地よい風が疲れを癒やしてくれた。喧騒とした毎日から思いもかけず開放された至福の時間に友人との会話が弾んだ。
ホテルからゴルフ場まで車で20分と気軽にゴルフが楽しめるシンガポール。街自体が建築物の展示場のようなシンガポールは今も街全体、いや国全体が変貌し続けている。社会のニーズに合うように国が変わるのが理想であろう。そのために会社も社会のニーズに合う柔軟性を持ち、躍動的で改革的な会社でなければならないと考える。EFIはお客様のニーズに応えるために変化し、成長を持続させることができる会社でありたいと考えている。また海外で元気をもらい帰国の途についた。