パリでテロの銃撃戦が起こったのが日本時間11月14日(土)朝の5時すぎ、ちょうど小生がIntermodal Europe参加のためコペンハーゲン経由ハンブルグに行く当日の朝の出来事であった。横浜から1時間ちょっとで成田に到着し、出国手続きを無事に終え、搭乗も12時過ぎに始まった。かなり使い込んだエアバスA340に乗り込んで離陸を待っていると、機内放送で機材トラブルのため一度機内から出て欲しいとのことであった。これが大変な一日の始まりとなった。12時30分の出発はキャンセルとなり飛行機会社が負担するので各自昼食をとってほしいとのアナウンス。出発時間は延びに延び、2時が3時。ついに搭乗場所がバスで飛行機に移動する1Fに変わった。旅慣れた外国人が”今日のフライトは無いな!?” と話しているのが聞こえた。しばらくして4時30分頃に本日のフライトはキャンセルとのアナウンス。そのため一度出国しているので入国手続き、預けた手荷物の引取。明日8時45分のフライトに変更となり、朝7時にチェックインカウンターに来てほしいとのこと。また、飛行機会社が当日の宿泊費は負担するので自分でホテルは確保してくれとの連絡。これがまた大変なことで250人以上の乗客が一斉にホテルを探すことになった。小生も電話帳に有る成田近辺のホテルをかたっぱしから当たるがどこも満室。幾つかのホテル紹介所も当たるが断られた。最後の手段としてタクシーの運転手の方に何処かホテルに連れて行ってもらおうと考えて外に出るが雨のためかタクシーが来ない。もう一度ターミナルの中に戻りターミナルのはずれの旅行会社で藁にもすがる思いで訴えると幸い成田から送迎バスで10分ほどのホテルの残り2つの中の1つの部屋を運良く確保できた。冷たい夜の雨が一層冷たく感じられた。投宿したホテルでパリの同時多発テロのニュースを知った。 ”これからハンブルグに向かうが大丈夫だろうか?” 不安がよぎったが、パリ経由、ブリュッセル経由でなくて良かったと安堵した。その一方、”この惨状はどうなっているのだ?” ”出発を1日遅らせるか?いつもの飛行機会社にしていたらこんな苦労はしなかったのに?” と少々後悔した。
翌日7時に手続きカウンターに行くと100mはあろうかという長蛇の列、チェックインが終わったのが8時。8時45分の出発時間は迫っているが、搭乗時間は搭乗ゲ-トで確認してくれとのこと。9時、10時と時間は過ぎていく。飛行機会社で負担するので昼食を各自取ってくれとのことだが気持ちが焦っているので食事どころではない。乗客の中から今日のフライトも危ないのではという話が出てきた。今日飛ばないと会う約束をしている人に会えなくなるどうしたらいいものか心配であった。一方当日の同便機の搭乗が反対側で始まった。これがルールというものか。前の日にフライトをキャンセルされた人を優先的に乗せてはくれない。
遅延の理由が、不具合の高度計、速度計を交換したが今度は、それを止めるネジがあわないのでそれを確保するため時間がかかるとのことである。近代的な精密機械のジェット機も小さなネジ1本が合わないと飛べない。一方で安全を確保する飛行機会社に感謝したいが、心境は複雑であった。しかし飛行機は無事に1時30分になんとかコペンハーゲンに向けて飛び立った。前席のモニターに ”The 2nd most punctual Airline in the world”と出ていた。世界で一番と言わないので納得した。一番でいることは大変な努力がいる。しかし人生、仕事も何事も不測の事態に対して備えることは必要である。
コペンハーゲンに行くのは長年の夢であった。世界一大きい船会社、マースクライン本社ビルをコペンハーゲン港から見ることができ感激した。その大きく長い白亜のビル群は巨大な砦に見え、世界に君臨する船会社を象徴しているようにも見えた。AP モラーが資金提供してできたユニークなオペラハウスも印象的であった。デンマークは443の島を領有し、グリーンランドを含むと大きいが、本土は日本の9分の1弱、人口は563万人である。この小さな国が世界をリードする海運会社マースクラインを始め世界的に有名な企業群(高級オーディオメーカーのバング&オルフセン、知育玩具のレゴ、陶磁器のロイヤルコペンハーゲン等)を輩出している。それに農業輸出国で日本の豚肉の半分はデンマークから輸入されている。日本はデンマークに学ぶ点は多い。そして勇気を与えてくれる。引き続き注目をしていきたい国である。
ハンブルグ駅に毎日100人以上のシリア難民が到着していた。自動小銃を持った兵が2~3人いるが日本ほど警護は物々しくない。私服の警官かボランティアの方か首から名札をかけた4~5人が誘導にあたっていた。ドイツは100万人の難民を受け入れると表明している。街ではかなり中東の人が目につく。その寛容さは眼を見張るものが有る。
11月17日(火)から19日(木)Intermodal EuropeがHamburg Messeで始まった。弊社も今回はタンクメーカー、MCCの展示場の一角に日本の代理店としてEF International Ltd.のポスターを貼らしてもらった。11月10日にTritonとTALの合併が報道された。これで5 Million TEUのコンテナ会社が出来る。その報道直後の展示会となったため、大きなTALの展示場が一際目を引いた。CMA CGMがNOLの買収の優先交渉権を獲得し交渉に入り(12月8日CMA CGMのNOL買収成立)、中国のCOSCOとChina Shippingの合併(12月11日国務院がCOSCOとChina Shippingの合併承認、新しい名前はChina Cosco Shipping Group)が囁かれている時、船会社、リース会社、コンテナメーカーの現状のマーケットを反映してか、今年のIntermodal Europeは心無しか元気がないように思えた。日本の主要3社(NYK, MOL, K Line)にもっと積極的に世界の船会社のリーダーとして活躍をしてほしいと思っている。特にNYKだけでなくMOLとK LineにCOA (Container Owners Association)のメンバーになり世界の船会社を正しい方向にリードして欲しいと願っている。
現在のコンテナ価格は$1500 per 20fまで下がっている。中国の新造コンテナ工場在庫は1.1 Million TEUを超えている。中国、アジアのデポ在庫は日増しに膨らんでいる。一部の大手リース会社がデポでの通常に支障をきたしている状況が出て来ているようである。リーマンショック以来の最悪の状況になるのか。これから船会社同様リース会社も困難な時代を迎えようとしている。更なる買収、合併の可能性は否定出来ない。世の中、規模拡大に走る傾向があるが、しかし規模の小さなリース会社は本来のサービス重視に立ち返れば生き残りが出来ると確信する。
弊社の業績および7つの代理店業も順調に伸びている。新造、中古コンテナの売買業務は云うに及ばず、TydenBrooks社のSecurity Sealも国内大手企業(K Line, JAL etc)から注文をもらい順調に売り上げを伸ばしている。Thermo KingのGeneratorは北米で6割以上のシェアーを占めている。
いつの日か邦船3社に40°Cまで冷えるMagnum Plusを使用してもらい、荷物が増えたと言って喜んでもらえる日が来ると確信している。Sliding Door Containerも此処に来て多くの注文を頂いている。5年にしてやっと受け入れられたという感想である。全てがそうである。時間は掛かるものである。引き続きその良さを分かってもらうよう努力していきたい。今、横浜日新さんのかもめ町の敷地内に展示用の20f Sliding Door Container を置いて頂いている。是非興味がある方は見に来ていただきたい。未来Hi-Tecのシャシーも部品の注文が増えてきていて嬉しい限りである。MCCタンクも九州の酒造メーカーさんに先月収めさせていただきその品質に喜んでいただいた。まだ24~26KLのサイズに特化しているが値段、品質に必ず満足していただけると確信している。最後にリース会社、UESは規模的に30万TEU台の小さな会社のため余剰在庫が少ないのでお客様にご迷惑をお掛けしている。しかし実に真面目な会社である。規模を追わず着実に良いサービス提供することに徹底している。いつの日かお客様に喜んでリースフリートを増やしていただける日が来ることを期待している。コンテナ品質が良く中古コンテナの人気は高い。
その結果、EFインターナショナルは多大なるお客様のご支援と12名の優秀なスタッフのお陰で今年は昨年の2倍以上の売上を達成することができた。来年はスタッフ増強を図り、この7つの代理店業でOne Stop Serviceでお客様に一層満足していただけるサービスの充実を図りたいと考えている。売り切り御免でなく、お客様が安心してEFインターナショナルに任せていただけるように、お客様の要望、心配、悩みに対してSolutionを提供していきたいと考えている。