大手メーカーがコンテナ増産か? | コンテナ市況レポート | 2014年4月号

  • by 中尾 治美

4月1日から上海で始まるIntermodal Asia 2014に出席するため3月30日(日)に上海に立った。出発日の朝の横浜は雨模様でどうしたものかと悩んでいたら、7時前に雨が止んでくれたのでこの時を逃したらいけないと、10分ほどの駅までの道のりを急いだ。幸いにも雨は小生が駅についてから本降りになり傘なしで済ますことができほっとした。但し、朝晩10度前後の気温を風が一段と寒さを引き立てていた。いつもなら3月末になると、弊社の後ろの公園の桜並木とそれに隣接する孝道山の寺に通じる桜並木道は何百本もの桜が咲き始め、毎年桜の見ごろで、それは豪勢な花見処となる。それを見込んで先週末、お客様をお花見にご招待したが、まだ硬い蕾のままで春の遅れを象徴していた。

上海に到着すると気温は一変し温かい春の陽気であった。上着を脱がないと汗ばんでくる陽気であった。しかし上海も前の週は雨模様で肌寒かったとのこと。春の天気は何処も変わりやすいに違いない。今回上海に来て感じたことは、写真で見る北京のようなスモッグを見ることは無かったが、一日目で喉の違和感がでてきて、それが取れることは無かった。いままであまり意識しなかったことであった。それだけ空気の汚れが進んでいるのは間違いない。美しい上海を取り戻し、住みやすい都市にするためにPM2.5の大気汚染問題は国が何とか早く手を打つ必要がある。

タクシー代が安いのでいつも郊外の安ホテルに泊まり、Intermodal Asiaの浦東の会場に向かった。時間にして30~40分前後で、タクシー代も70元ぐらい。浦東のIntermodal会場、旧市街地の事務所の通勤時間帯に高速道路を使用したが昔みたいに1時間以上かかる交通渋滞に合わなかった。いろいろ交通渋滞を避ける方策がとられているのであろう。 その中で気が付いたのは昔よりタクシーのスピードが速くなっているように思う。かなりのスピードを出すので乗っている間体が緊張しどうしである。しかし、明らかに運転手の顔、意識が違ってきているように思う。一生懸命仕事をしようという意欲が伝わってくる。しかしまだまだほとんどのタクシー運転手は上海市の市街地をよく理解していないので行く先を理解してもらうのに苦労する。Intermodal Asiaの会場はリース会社、コンテナメーカー、Reefer Unit Maker が中心にブースを構え、それを支えている多くの中国の部品メーカーの参加が目立っていた。いくつか目に留まる製品、会社があり、また何社から製品の販売のアプローチをいただいた。正に、Intermodalの開場はそのような製品の売り込み場所、パートナー探しの場所である。ある意味ではもっと各国のデポ業者、修理会社、Forwarderが出てきてその得意分野の売り込みをやるといいのではないだろうか。そうなったらこのIntermodal Showの意義ももっと出てくるように思う。

CIMCがコンテナ生産を2シフトにして値段を下げて注文を取り始めたという情報が入ってきた。それまで少々高めで決めてきた船会社、リース会社は焦ったのではないか。リース会社にしてみるとここがチャンスと大量に発注するのではないか。他コンテナメーカーはリーディングメーカーであるCIMCに追随することになる。CIMCの新造コンテナの価格は$2,150 per 20fと聞いている。
業界紙各社が海外主要コンテナ船社の2013年業績を発表していた。マースク、CMA-CGM, OOCL, Wan Hai Linesの4社が黒字化したとのことである。コンテナ1本当たりの運賃が運賃競争で下がったため、各社燃料費などのコスト削減、資産売却を進めて黒字化に努めているのが現状である。その大きな要因を握るのがコンテナ船の巨大化とアライアンスの大型化である。米国のFMCはマースク、CMA-CGM, MSCのP3 Networkを3月末に認め、G6アライアンスによるアジア・北米西海岸、大西洋航路への提携拡大のFMCの認可が4月4日に発効となった。船会社はコストの削減とリスクの分散化を図る。

全米小売業協会(NRF)の発表によると3月の小売り関連のコンテナ貨物の輸入量は前年比15%増、1,310,000teuを記録し、4月の輸入荷動きを6.1%増と見込む。但し、6月末の北米西岸港湾労組(ILWU)の労働協約の行方がその後の動きのカギを握る。しかし米国の経済は確実に改善に向かっている。シェール革命による米国の自信と安価なシェールガスによる製造業の米国回帰である。日本にとっても将来は明るいと言える。この流れに暫く注視していきたいと思う。

弊社、EFIがThermo KingのMagnum Plusを協和海運さんに紹介し、使用していただくことになった。これにより協和海運さんが初めてMagnum Plusを使用していただいた記念すべき第一号の船会社となった。Thermo Kingはそれを記念して彼らが年4回発行している季刊誌, 20/40に特集号を組んでくれた。時を同じくして日本の業界紙の記者の方が紹介記事を書いてくれたのに感謝したい。冷凍能力マイナス40℃を維持できるのはMagnum Plus以外ない。これを機会にもっと日本の大手船会社の方がマイナス40℃を維持できるMagnum Plusの採用に踏み切っていただき冷凍貨物を拡大していただきたいと期待したい。マイナス30℃よりマイナス40℃が冷凍製品の品質を保つことは知られている。冷えることは良い品質を維持できることを認識していただき冷凍貨物の荷主の方を喜ばしていただければと考えている。高い冷凍能力が究極的には省エネに結び付く。またMagnum Plusのガス交換頻度は他メーカーに比べ低いと聞いている。それは構造がシンプルだけに故障か少ない、長いライフスパンで見ると経済的であると言える。海外での普及の前に日本の使用者がその利点に気付いてほしいと願っている。

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