10月24日(木)OOCLとThermo King共催にて行われた荷主を対象としたリーファーコンテナのセミナーに主催者側として参加した。荷主の方々の関心は高く台風接近の悪天候予想にも関わらず35社、60名以上の方に2時間半にわたり話を聞いていただいた。OOCL香港のリーファー部門の2人の責任者の期待とOOCL東京のスタッフの方の軽妙な司会進行がセミナーを盛り上げた。Magnum Plusについては出席者の方から翌日にメールで問い合わせを受けるほどの反響があった。このセミナーを通じて40,000本以上のリーファーフリートを所有するOOCL社の日本に対する熱い期待が伝わってきた。OOCL社はMagnum Plusの中でも特別に造られた薄型のSlim Line unitを使用している。このセミナーの件は10月29日(月)に業界紙2社に紹介されていた。
バンコクの街には日本車が溢れ、渋滞は激しいが、整然と車線に沿って走っている。その点は中国と違い交通規制を守っている。高層ビルが立ち並び昔の面影はない。高級日本料理店が目立つ。30~40年前には考えられない様相である。東京の一角にいるような錯覚を覚える。タイの人はいつも笑みを浮かべ人懐こい。この点は昔と少しも変っていない。日本人にとってもきっと住みやすい街に違いない。
パタヤは20年振りである。車で2時間。バンコクの東南165kmに位置するパタヤはアジアの大きなビーチリゾート地である。115名の参加者のThermo King会議の1日はMagnum Plusで使用している2つの主要部品工場見学をさせてもらった。Thermo Kingは、参加したDealerの現場の声に耳を傾けUnit改善に努力すればDealer Conferenceは意義深いものになる。それを期待したい。
タイでの技術レベルがいかに高くなっているかの証である2012年の一人当たりのGDPは世界95位$5,390、自動車生産台数は248万台で世界9位である。2011年の洪水被害にめげず、アジアでの生産基地としての地位を揺るぎないものにしている。対アジアの輸出入比率がそれぞれ65%、73%を占めている。日本が一番の貿易相手国である。工業製品の輸出入の関係だけでなく、もっと農業、漁業でお互いに助け合い、豊富な米、果物、生花、豊かな海産物を通して、日本とさらに深い関係を築くことができると考える。マイナス35~40°Cで急速冷凍能力のあるThermo KingのMagnum Plusの得意な分野である。
米国の7~9月期のGDPは年換算で前期比2.8%増え、雇用も予想に反して非農業部門の雇用者数は前月比20万4,000人増加、景気が順調に回復していることがうかがえる。欧州は景気を下支えする為に今月13日より過去最低金利0.25%を適用する。日本では日経新聞が、円安でトヨタ自動車が2014年3月期の売上高は前期比13%増、25兆円、営業利益は67%増、2兆2000億円、上場企業の8割近くが2014年3月期の経常利益が28%増になると報じている。アベノミクスの成長政策で給与増、販売増、生産増の好循環を創り出し、税収増で日本の借金、1000兆円が減るようになれば良いのだが。
北米航路、欧州航路、アジア域内航路の今年の荷動きは前年並みだが回復傾向にある。船会社はサービスルートの休止、減便で運賃修復を計っている。11月1日付けで実施した運賃修復で欧州、地中海、南米向け運賃が回復している。一方、減速運行の促進でコンテナ船の待機隻数を減らす努力をしているが、待機隻数が増えているのが現状である。現在の待機船の隻数、船腹量は188隻、52万1000teuと報じられている。各船会社による一層の運賃回復の努力を期待したい。そのカギを握るのはマースク。来年の2nd Quarterにスタートが予定されているメガアライアンス3P(Maersk, MSC, CMA-CGM)の動向に目が離せない。
中国の新造コンテナ工場在庫は50万teu台を推移している。新造コンテナ価格は$2,000~$2,050 per 20f、リース会社の稼働率は90%台を維持しているようであるが、返却在庫でストレージ代がかかってきて収益は下がってきている。リース会社は大体同じデポを共有している場合が多いので、今後の船会社からの返却本数次第では各地でのデポのコンテナ収容力が問題になってくるであろう。特にアジアでの主要港である、上海、香港、シンガポール、釜山、バンコクで問題になってくる可能性はある。古いコンテナの処分をいかに早く良い値段で売却を進めるかがリース会社にとって大きな収益の分かれ目となってくる。
パタヤの最後の日、初めてTiffany’s Show(所謂ニューハーフショー)を見学した。何台もの観光バスで乗り付けた見物客で既に客席は埋まっていた。ステージいっぱいの絶世の美女(?)に圧倒されて2時間があっという間に過ぎてしまった。全然いやらしさはない。明るく笑いのあるエンターテイメントであった。観客の中に女性客が多いのも特徴であるし、外国人の家族連れも楽しんでいた。口パクの歌声だがその演技、舞台の展開、構成は芸術の域に達している。あの華やかな世界、非日常の出来事の余韻の中で疲れが癒えていくのを感じていた。帰国して11月2日(土)にパタヤでニューハーフのMiss International Queenが開かれ、2009年に優勝した日本人の“はるな愛”が審査員として参加したという記事を読んだ。タイのニューハーフショーはガイドブックに載っているほど有名である。考え方、やり方次第では町興し、Business Chanceは何処にでもあると確信する。タイの人の性格のやさしさが垣間見えてくる。平和な国でないと出来ないShowである。現実に戻りその癒しを明日の糧に頑張るとしよう。