コンテナ市況レポート 2012年7月

  • by 中尾 治美

コンテナの動きは7月と言えば夏場の重要期に向って力強くデマンドが出て来るが、今年はどうもその勢いが見られない。船会社も今年前半の様にリース会社のコンテナを長期リースで押えることは無く、今までにコミットした長期リースのコンテナの引き取りに時間が掛かっているようである。中国メーカーの新造コンテナの在庫状況は増加に転じて50万teu台に達しているようである。船会社、リース会社も8月以降の注文について慎重な態度を崩していない。特にリース会社は様子見の態勢である。その結果、20fの新造価格は、$2700を切って来ているとのこと。メーカーもこれからの製造ラインを埋めるのにコンテナ価格の値引きを強いられそうである。そうするとますます船会社、リース会社は今後の製造価格の値下がりを見越して買い控えることとなりそうである。

リース会社の稼働率は下がる傾向にあるが、それでも92~95%を維持しているようである。リース会社への返却コンテナはかなり古いコンテナになってきているが、大部分の返却はアジア、中国中心であり中古コンテナの底堅い需要があり長く寝ることなく中古市場で売却されている。また、欧州、北米での返却についても長い間あまり多くの中古コンテナの返却が無いため中古コンテナへのニーズは高いた。値段もそこそこで売却されているようである。そのためリース会社も船会社の長期リース満了で、欧州、北米の返却について余り悩んではいない。

今年のTop 10リース会社の購入状況は以下の通りである。

また、今年の6月末現在のTop 10リース会社の推定所有本数は以下の通りである。

リース会社の寡占化および二極化がお分かり頂けると思う。またTextainが巨人化してきている。健全なリースマーケットからすると将来問題を残すと思われる。このようなマーケットの中では新しいリース会社はなかなか生まれにくいのでないか?船会社もただリース料金が安だけで安いリース会社だけを頼りにすることは先々そのツケを払わされることになりはしないか?船会社が将来を見越した健全なリースコンテナマーケットを考えるならばリース先のリスク分散をこれから考えて行くべきではないか? そしてもう少し自社所有比率を増やすべきではないか?

弊社, EFインターナショナルはコンテナ売買だけでなく、コンテナに関わる一切の仕事を手掛けコンテナの総合商社的な会社を目指している。6月から韓国の中堅シャーシーメーカーである未来特装車の日本の代理店業務が加わった。韓国製のシャーシーは標準スペックが高く、品質的に日本社製に劣らず、価格的にも2~3割安いと言われている。我々にとって大きな挑戦である。今回の代理店業務はKukdong MES/JJ MES、FBC社、TydenBrooks社に次いで4社目である。今後は通常の新造・中古ドライコンテナに加えてReefer ContainerやTank Containerと言った特殊コンテナの市場開拓も積極的に進めて行きたいと考えている。また、引き続きFBC社が特許を所有するHybrid Open Top Container, Sliding Door Containerの国内の商用車への応用を積極的に提案して行きたい。従来の観音開きドアーに取って代わる可能性のあるSliding Door Containerの実用性は高く、多くの荷主の方からの反響も力強い支えである。TydenBrooks社製の製品群の中で象徴的な存在であるSuperBolt4は、他社の追随を許さない高品質かつ堅牢であり、大変好評をいただいており、船会社が重要な顧客(トヨタ、パナソニック等の大手メーカー等々)向けに採用頂いている。新たに未来特装車のシャーシー販売が加わりこれからが楽しみである。日本でタンクローリーからISO シャーシーの代替需要がみ込まれるため、その潜在需要は大きい。同時に中古シャーシーの下取り販売も手掛け新造シャーシーの販売促進を考えている。

その他、スタッフの知識や経験を生かしたコンサルティング業務、また、数えたら切りが無いが、港湾機器、船舶、運輸等々、お客様の要望にこたえるために日本と海外との橋渡しができる事業に専念し、将来弊社に加わってくれるスタッフにもその夢を託したい。

7月末に新しい事務所に移転予定である。今、その準備に追われている。JR東神奈川駅から5分ほどの距離、現在の事務所からも近い。新しい事務所で心新たにスタッフ一同お客様に喜んでいただける質の高いサービスの提供を目指して行きたい。

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