1月30日(月)羽田8:40発JL031便で念願の台北へ旅立った。正月の休み明け早々FBC社のNam氏よりHybrid Open Top ContainerとSliding Door Containerを台湾船社に売り込むため同行依頼があったので二つ返事で受けた。台湾には4社の船会社、Evergreen Line, Yang Ming, Wan Hai Lines, T.S. Lineがありどの船会社もFBC社のHybrid Open Topに強い関心を持っている。現場での作業時間の短縮及び安全性が高いHybrid Open Top Containerを実際に使用してもらい、従来のOpen Top Containerとの比較でオペレーションコストの軽減を図ってもらうことが今回の我々の使命である。
台湾は34年振りである。日本の9.5%の土地面積、人口約2300万人。親日家の多い台湾の変化をこの目で再確認することが長年の夢であった。EFIをスタートさせた時にEvergreen Lineの三菱重工製Unit付き40FHCリーファコンテナを大阪で販売する実績ができた。その縁で小生が出しているコンテナ市況レポートを勝手にEvergreen Lineに送りつけていたところ、何カ月か経った頃、わざわざ台北からEvergreen LineのW氏よりお電話を頂き、機会があったら台北に来ないかとのお誘いを受けた。また、以前勤めていたリース会社時代2007年上海でゴルフを御一緒させていただいたWan Hai LinesのL氏が現在オペレイションの責任者で有ると伺っていたのでお会いしたいと考えていた。そのうえ旧知の友であるTS Line日本代表、T氏より台湾へ行くなら会うべき人を紹介すると応援も受けていた。10年以上前になるが、Yang Ming Japanの社長を歴任されたあと、台湾に戻られたC氏にもできればお会いしたいとかねがね思っていた。台湾へ行きたいといういくつかの動機があった。
旧正月明けの週のため機内は子供連れの家族客とビジネスマンで満席であった。松山空港に11時45分に到着する約4時間のフライトで有る。台北は超高層ビル台北101に象徴されるように近代都市に変貌していた。高速道路は縦横に張り巡らされ、またいたるところで延長工事中であり、その公共工事が台湾経済を支えているのは間違いない。台北市の街並みは南国らしくヤシの並木で綺麗に整備されていた。高層ビジネスビル、高級マンション群が立ち並び昔の面影を一日二日で見つけることは難しかった。但し、日本統治時代の建築物を今もって大切に残しているのは印象的で有る。その上、8割以上の車が、日本車で埋め尽くされ、車だけを見ていると日本にいる錯覚に陥る。この国が如何に日本贔屓であるかその一端が知れる。
台湾船社4社の方々にお会いして受けた印象は、皆さん新しい物に対して強い興味を持たれて、FBC社の会議にはEvergreen, Yang Min, Wan Haiからそれぞれ6~7名の若い人が参加してくれた。台湾船各社のマネージメントはできるだけ多くの人に情報を共有させ、疑問点、不明点、メリット、デメリット等々を限られた時間で見極め、テキパキと判断し決定して行く。その意思決定の速さにまず驚かされた。多分以前からそれなりに検討されていた結果であるとは思うが。それもFBC社のNam氏のここまで持ってくる段取りの良さに感心せざるを得ない。
それにしても、我々のために旧正月明けの忙しい中、時間を割いて頂き、昼食、夕食とお付き合いしていただいた船会社の皆さんに謝意を表したい。 台湾船社の若者も韓国の若者と同じように礼儀正しく、ハキハキしている。これも徴兵制度があるためか?徴兵制の良し悪しはあるにせよ。若いうちにそれなりの修行を積むと言うことは、その個人、社会にとって長い目で見たら大きな遺産となるのではないかと考える。日本人には無いものである。日本がゆとり教育と称して実施して来た過去20年間(2011年度廃止)が日本をどう変えたのか良く検証する必要がある。鉄は熱いうちに打てという諺がある。若い時に苦労をすることは長い人生にとって掛替えの無い物となる。これは真理である。台湾の船会社の若者と話していて礼儀正しくとても気持ちが良い。やはり何人かは日本に対して特別の興味を持ち、日本語を勉強しているとのことでる。この人達は良き日本の理解者である。大切にしたい。
日本経済新聞が2月10日付け紙面で購買担当者指数(PMI)が2011年11月を底に1月までの2カ月間連続で改善して世界の製造業が回復基調との報道を紹介している。ドイツの製造業も好転の兆があり、中国も2カ月連続で改善しているとの報告。米国の雇用、個人消費、住宅投資の拡大が、2011年10月~12月のGDPを前期比年換算で2.8%増に加速したとの報道も明るいニュースである。東南アジア主要6カ国(インドネシア、タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム、シンガポール)の2011年の新車販売は前年比4%増の約259万台であった。中国商務省の発表によると、中国の旧正月の全国小売売上高は前年同期比16.2%増の4700億元(約5.7兆円)を記録したとのこと。良い指数ばかり集めているが、2012年後半から世界経済回復も現実的なものなって来ているのではないのか?
中国メーカーに在庫する新造コンテナ総数は40万teu台に減り、コンテナ価格も$2300 per 20f台を維持し、各リース会社の稼働率もまだ95%~97%と高い。コンテナメーカーは胸をなでおろし、船会社はコンテナの調達について長期リースでの取り組みを真剣に考えているようである。
小生の今回の1週間の旅は香港へと続くが、台北から香港まで初めてキャセイパシフック航空を利用したら、美人のチェックインカウンター嬢が、エコノミー席をビジネスクラスに格上げしてくれたのでキャセイ航空が好きになった。“次回もキャセイ航空に乗ります”と思わず答えたら、美しい笑顔を返してくれた。このサービスに顧客の心をしっかりつかむ真髄があるように思う。そのサービス精神は小生の商売にも有効である。
旅はいろいろな事を教えてくれる。いろいろな人と巡り合い、親しくなれる。その友達の輪が仕事の繋がりも広めてくれる。 会う人が若いせいもあるが、旅は人を若返らせてくれるように思う。今年はもっと若返るためにも世界を大いに飛び回りたいと考えている。