昨年12月25日から28日まで弊社パートナー会社のKukdong MESの年末の会議に出席するために韓国ソウルに滞在した。ソウルはマイナス11度の寒波で道路はいたるところアイスバーン状態で歩くのも至難の技であった。この時期は、北朝鮮、金正日総書記が死亡したとの報道が12月19日に公にされてから一週間ほど後である。 行く前は何か変化が有るのではないかと懸念を抱いていたが、ソウルの街自体何ら変化は無く、市民も何時もの生活を送っているように見られた。Kukdong MESの会議に出ても其の事が仕事上の話題になることは無かった。
会議は世界各地に駐在している韓国人の若い責任者からの2011年度の営業報告を出席者全員で聞き社長を含めて徹底的に議論を尽し、今年の営業活動を決めて行く。あくまでも客観的な状況分析を行い、相互理解をすることが目的で、個人攻撃は一切無い。そこに会社全員で企業戦士として外地で働く若者を支える愛情を感じた。
折に触れ、儒教の国、韓国の良き精神が若者に受け継がれていることに、この国の力強さを感じる。Kukdongの若者が良い意味でも悪い意味でも日本を韓国の将来の姿と見ている事に興味を覚える。 韓国の人の心の豊かさは韓国料理のキムチのもてなしに彼らの人をもてなす真髄をみる。何時も嬉しくそのもてなしを堪能している。それは同じ民族である北朝鮮の人々にも共通するはずである。この国が北朝鮮と早く一つの国になる日が来ることを願わずにいられない。
年頭に当たりEFIの2012年の方針は引き続き良きMatchmakerで有りたいと考えている。 商売は良い物を必要としている人に届けるのが基本である。お客様に喜んで頂くことが第一と考える。そしてその行為を通して皆が幸せを感じることが肝心であると思う。EFIと仕事をすることが楽しいと思ってもらえるようにしたいと考えている。 そのためにも今年も引き続きこのレポートを読んでいただく人達が元気になる発信者でありたいと考えている。
ある新年会で若者に一言苦言をさせていただいた。“金が無いなら気を使え!”今の若者(それなりに歳をとっているのでお許しいただきたい。)は友達との付き合いは上手だが、その中に小生が考える気づかいは見えない。本当は“金が有っても気を使え!”と言いたい。ちょっとした気づかいで周りの人を楽しく、前向きすることができると考える。これは小生の人生訓でもある。小さい時はガキ大将でかなり親を困らせたようである。但し、弱い者いじめはしなかった事は明確に覚えている。後々大きくなって何人かの友達から感謝の言葉を頂いた。私自身、成長過程の軋轢と葛藤の中で気を使うことを学んできた様に思う。若い人に是非実行して欲しい。
リース会社の稼働率は今も、97~98%を維持している。船会社は既に当面処分できる古いコンテナの処理は終わっているようである。今年の旧正月は1月23日から始まる。例年旧正月前駆け込み輸出が見られるが、今年は期待外れとなりそうである。ほとんどの船会社が昨年の後半から収益悪化、コンテナ価格が下がったにも拘らず、自社新造コンテナを造る事を控えざるを得ない。しかし、ここに来て20fの需要が増えている。ある船会社は2011年後半にかなりの量の20fを長期リースで調達した。リース会社は現在20fを中心に中国コンテナメーカーに注文を入れている。その結果、コンテナ価格は、$2,300 per 20fを底に、$2,400 per 20fに上昇しているようである。中国のデポコンテナも在庫が薄い場所では、リース会社は積極的に1年ミニマムの条件付きで船会社に出している。
この20fの特需は、欧州財務危機による経済減速、ユーロの下落による購買力低下、及び米国政府の輸出増を狙った弱い米ドル政策が荷物の小口化をもたらせたものか? 東日本大地震、津波で破壊されたジャストインタイムの供給場所のリスク分散化をはかっているためか? いずれにしても荷物の小口化により、各リース会社がかなりの40f Hi-cubeの工場在庫を抱えている。それも昨年の前半に製造したものが工場に長く寝ている。
昨年の10月以降深刻になったタイの洪水の復旧活動は、船会社に新たな荷動きをもらしている。特にスペシャルコンテナ(Flat Rack Container, Open Top Container)の需要が増えている。 冷凍コンテナは昨年北米で起こった冷凍機の爆発問題でリース会社に新たな需要をもたらした。
現在、イランのホルムズ海峡封鎖の問題で揺れているが、封鎖となるとこれも関係各国にとっていろいろな政治的影響を与えることになり物の流れがかわる。 船会社の箱回しに大いに影響を与える。何とか平和的に解決を図ってほしい。その上今年はロシア、フランス、米国、中国のリーダーの選挙がある。 ロンドンでオリンピックが7月27日から8月12日まで開かれる。変化の年である。米国は昨年12月の失業率が8.5%に改善し、10~12月期の実質成長率は3%台の伸びが期待され先々明るい。中国は今年のGDP成長率について7%台を見込んでいる。日本の製造業の2011年の冬のボーナスは2年連続前年比で伸び、日本の強い為替、$1.00=JPY75を後押ししている。今後10年間で23兆円の東日本大地震の復興費を見込んでいる。欧州の経済の停滞は有るものの年後半から世界の景気は好転してくると楽観視する。
現代商船はFuture Box Corporation(FBC)社が特許をもつ40f Hybrid Open Top Containerを採用することを決め、2月に50台のデリバリーを受ける。 韓進海運も20f Hybrid Open Top Container 150本の採用を真剣に検討をしていたが今回は見送りとなった。いずれにしても韓国の船会社のこの積極的な態度は注目に値する。FBC社は既に20f Hybrid Open Top Container 50本を主要船会社に試験的に使ってもらっている。その使い勝手が認められてきた証拠であろう。Sliding Doorについてもコンテナ側面が開く型の物については特に荷主の方からの評判はすこぶる良い。荷物を積みやすい、降ろしやすい。後部ドアのSliding Doorは荷抜き防止の観点においても、従来の観音開きのドアのコンテナにくらべはるかに安全性が高い。その上、25%ドアの開閉時間が節約でき荷物の安全性、仕事の効率を考えるとSliding Doorが従来の観音開きドアに取って代わるのも時間の問題である。引き続き我々はHybrid Open TopとSliding Doorのコンテナの普及に努めて行きたい。
最後にEFIにとって今年はある意味では挑戦の年となる。それは在庫を持ってお客様の御要望に積極的に応えて行こうと考えている。過去2年間は受注生産的な方法を取ってきたが、良質な在庫を持つことでお客様の満足度を高めていきたいと考えている。 同時に中古コンテナの需要の底辺を広げる努力もして行きたい。その意味でも、今年は何人かの優秀なスタッフをEFIに加えよりさらに充実したサービスの提供をしたいと考えている。
■Future Box Corporation社の革新的なコンテナ
Hybrid Open Top Container & Sliding Door Container