今回はIntermodal 2011 Hamburgについて書いてみたい。 小生は11月28日(月)の第8回COA Members Meetingと11月29日(火)から12月1日(木)まで開かれたIntermodal 2011 Hamburgに出席するために11月27日(日)KLM862便成田発(11:55)でHamburgに向った。成田には朝の9時に到着し、KLMのカウンターに手荷物を預けるために急いだ。簡単にチックインは終わると考えていたら、エコノミーは長蛇の列で、KLMのカウンターだけが人の山であった。そこで1時間半、出国検査に1時間。既に搭乗手続きは始まっていた。
安売りのチケットのためオランダのスキポール空港で6時間待つ事は承知の上である。スキポール空港は実に分かりやすく、トランジットも楽であった。空港自体かなり広く、同じフロアーでの移動であるため乗り継ぎの搭乗ゲート標識を確認しながら探せば問題無く見つけられる。次の搭乗ゲートまでの空間はまるでデパートのフロアーを散策しているように思えて楽しかった。そこは既にクリスマスの飾り付けがしてありトランジットの人々の購買意欲を掻き立てるために、いろいろ趣向が凝らしてあった。小生が乗るHamburg行きの飛行機の出発時間は夜の9時25分。その時間帯まで搭乗ゲート近くではサンドイッチ等のスナックの販売をしていた。Hamburgからスキポール空港までは1時間のフライトである。搭乗時間が迫ってくると搭乗口のカウンターでオーバーブッキングのために搭乗を明日に変更してくれる有志を募りだした。ホテル代と食事代を持ってくれるとのことである。何人かが応募して問題は解決したようであった。オーバーブッキングするなんてと日本ではありえないと思って見るが、どうも日常茶飯事的に起きているようである。定刻通り夜の10時30分にHamburg空港に到着。韓国ソウルから来ているFBC社社長の南氏に合流した。彼は、フランクフルト空港乗り継ぎでHamburgに30分前に到着し小生を待っていてくれていた。
今年が35周年のIntermodal 2011 Hamburgで感じたことは、Intermodal showを運営するイベント会社があり、毎年一回、London, Hamburg, Rotterdam, Bilbao, Copenhagen, Amsterdamの6カ所を持ち回りで開いている。 参加されているメンバーの顔触れは常連の人が多いようである。毎年同じ時期に会うことで一年間の比較が容易であるし、馴染みの人同士が話をすることで物事の変化も確認できる。言いすぎかもしれないが、過去一年間の彼らの活動の総決算の場所なのかもしれない。COAもそうした中から生まれた組織なのではないか?
今回、小生は南氏の会社、FBC社の製品であるHybrid Open Top ContainerとSliding Door Containerの売り込みの為に彼と一緒にIntermodal Showに参加した。 南氏は昨年、2010年にAmsterdamで開かれたIntermodal ShowにHybrid Open Top ContainerとSliding Door Containerを組み合わせたコンテナを初めて展示した。その反響はかなりのものがあったと聞いている。Hybrid Open Top は従来のOpen Topの危険なRoof bowの取り外し、取り付け業務から開放した。Sliding Door Containerは従来の観音開きDoorの欠点である荷抜きの危険性から完全に積荷の安全性を確保する。また、Doorの開閉作業時間を25%短縮する。その上、Doorの一方がDoorのヘッダーにあるポールに沿って動くため、ドアー自体が暴れることはないので、非常に安全である。従来の観音開きのDoor が如何に荷物の安全性に問題があるのか、Door Lock会社が新型のDoor LockをIntermodal Showで展示しているのを見ると良く分かる。 従来の観音開きのDoorのヒンジが表に出ているのに対し、Sliding Doorのヒンジは内部にその位置を変えるためDoorをこじ開けることはできない。Doorの総取り替えをしない限り荷物は安全である。
何時も感心するが、今回のIntermodal 2011 Hamburgでも韓国の人が非常に重要な役割を果たしているのを痛感する。それはそれなりの理由がある。コンテナ製造は70~80年代の日本から80~90年に韓国に移り、最終的に中国に90年代以降現在へと変遷してきた。韓国から中国に移る時に多くのコンテナ技術者及びそれに携わっていた人が新しい新天地を求めて中国に渡った。その流れとしてかなりの韓国の専門家がこの業界に残ることとなり現在も活躍している。その点日本の場合は、コンテナ製造から20年以上関わりを持たなくなり、残念であるが、このコンテナ業界で世界的に活躍している人は少ない。
その点FBC社社長の南氏の出発点は、韓国のメーカーのJindoである。20~30代に営業として世界を飛び回り、いろいろな国の船会社、リース会社、部品会社の人と知り合い、その人脈には目を見張るものがある。このIntermodal 2011 Hamburgにおいてもその人脈の広さを見せつけられた。小生は40年以上この業界に関わってきたが、それは同じ業界に長くいたと言うだけで南氏のような広い人脈がある訳ではない。彼のような貴重な人材がこれからの世界のコンテナ業界を支えて行くものと確信する。そして彼のコンテナに対する並々ならない思いが、画期的な製品、Hybrid Open Top、Sliding Door Container を生んだ。今回のIntermodal Showで多くの人が、その特徴に目を見張り、彼らの期待を感じた。小生は、此の製品が多くの人に理解され、従来のコンテナに取って代わる時代が来ることを確信するものである。そのために、その手伝いが出来ることを大きな喜びとするものである。
世界経済はこれからますます混迷を深めていくであろう。船会社も荷物の減少、過剰船舶、運賃競争とこれから多くの試練が待ち構えている。その時期、新しい設備投資をするのは難しいと言わざるを得ない。しかし、この画期的なHybrid Open Top及びSliding Door Containerを採用することにより、安全性、便利さを荷主の方にアピールし、その支持を取り付けることで自社サービスの差別化を図ることは考えられないであろうか?もう一方のコンテナメーカーの雄であるSingamasが12月、来年の1月の2カ月間生産を中止するとしている。メーカーの生産調整の結果、当面、コンテナ価格は$2,000 per 20fを維持するものと考えられる。今は、コンテナ業界自体が、現状のマーケットの規模に合うように調整することが望まれている。一方、日本でISOのコンテナが汚染された焼却灰の保管用として、各自治体で積極的に使用され始めた。そういう意味では、中古市場に出て来るコンテナがもっといろいろな所で活用されたら良いと考えている。
■Future Box Corporation社の革新的なコンテナ
Hybrid Open Top Container & Sliding Door Container