6月8日(水)に出張で久しぶりに東京に向った。7時47分東京発新潟行きの上越新幹線に乗るために6時50分頃の横浜駅に着いた。東海道線の上りホームは東京方面に向う溢れんばかりの通勤客で混んでいた。この込み方は従来の8時前後そのもので、以前は7時と言えば人と人が触れ合わないで楽に新聞も読めるスペースが電車内にあった。
これも国の電力節減15%要求に対して各民間会社が出勤を1時間早めてサマータイムに協力している結果に違いない。 同じ車両に乗り合わせた通勤の人達もサマータイムに慣れていないのか座っている人も以前のように精力的に新聞、雑誌に目を通る人たちの光景は無い。一様に座っている人も立っている人も目を閉じ、ただただ目的地に着くのを待っているようである。 つり革に手を掛け力無く体重を預け眠りの延長にいる人も多く見られた。
東京通勤人口(約250万人)の通勤時間は平均1時間前後と言われている。その半分、125万人は1時間以上かけて東京に通勤している。仮にその人達の1割, 12.5万人が1時間早く出勤していると仮定しても、米国の様に国全体で一斉にサマータイムを実施する国と違って、民間ベースでの1時間早めの自主規制的サマータイム導入は早朝交通機関の十分なサポートが無いため、遠方から通勤する人達にとって通勤地獄の解消になっていない。
ちなみに新潟港は多くのコンテナで埋め尽くされていた。 聞いたところによると、今年2月までの月平均取り扱量は5~6,000teuで推移していたが、3月, 4月はそれぞれ7,000teu台を記録し、5月には8,000台を超え新潟港始まって以来の取扱量を毎月更新しているとのこと。震災の影響はここにも見られる。
6月4日(土)から6日(月)までの3日間、弊社パートナー会社、Kukdong/JJ MESが中国チンタオで開いた社員旅行に参加した。韓国本社及び中国、ロシア、USA、UAEの子会社の社員総勢56名。中国からの参加者は、上海本社、深圳市、青島、天津、ウルムチの5か所から25名、半分近くを占める。各支店は3~5名のスタッフで構成され、中国人スタッフは20歳代と若く英語ができ、半分を女性が占める。
各事務所には必ず韓国人を置き事務所間のコミュニケションをしっかり図っている。優秀で有れば男女差別はない。韓国人スタッフは自分の使命を理解し中国人スタッフと上手くやっている。其の能力は中国人スタッフからも高く評価され好感をもたれている。上海事務所に半年前に入社した女性スタッフは英語を流暢に話す、上海万博で韓国館のコンパニオンの経験者である。 今回社員旅行の世話役のチンタオ事務所の女性スタッフは、中国の大学を卒業し中国で職を求めこの4月に入社した。流暢な英語、中国語、韓国語使い参加者の面倒を見ていた。笑顔が素晴らしく参加者全員の人気を集めていた。
天津事務所のスタッフにこの4月に入社したモンゴル出身の若者がいた。日本に1年留学経験を持ち、流暢な日本語を話し、日本を懐かしがっていた。彼は将来モンゴルの商売を担うことを期待されている。この若者たちはインターネットでこの職場を見つけたとのこと。就職試験は無く、書類審査と1~2回の面談で採用されたとのこと。いつもながらKukdong/JJ MESの人の人を見る目、マネージメントの上手さに感心させられる。
彼らの人の評価は日本の減点評価と違って加点評価を取っている。強い家族意識を持たせ、第一線で働く彼らを勇気付けている。この方法を中国に進出しているほとんどの韓国企業が採用しているとのこと。ただ一人の日本人の参加者である小生に多くの中国、韓国スタッフが日本文化に憧れるその胸の内を片言の日本語でしゃべりかけて来る。中国、韓国の若者、日本語を話せることを自慢するのを見るのは嬉しいものである。まだまだ日本の企業が世界で活躍できる余地があると確信する。日本の企業は、この韓国の会社が中国で行っているマネージメントが手本になるのではないかと思う。何十年か前に日本の会社がやっていた事ではないのか?中国の若者のやる気を引き出し、日本の若者に海外で仕事を求める勇気を与える事ができるなら今からでも遅くはない。
5月末の中国メーカーの新造コンテナの在庫は100万teuを超えた様である。その理由は二つ上げられる。一つは5月に船会社がリース会社からの長期リースを引くほどコンテナの需要が逼迫せず、手持ち分でやりくりが付いたと言うこと。二つは、リース会社が夏場の需要を見込んで注文を出し続けているためである。ある船会社は高い新造価格にも拘わらず毎年一定量発注し、自社コンテナの平均年齢の若さを保つべく努めている。この自社フリートを若く保つことは荷主に対しても好印象を与える。一つの重要な営業武器となる。自社新造コンテナと古いコンテナの入れ替えを行い、古いコンテナを中古市場で高く売っている。これから夏場に向ってそうした入れ替えのコンテナが多く中古市場に出てくとみられる。但し、中国が中心である。輸出貨物が大量に出る中国で新造コンテナと入れ替える事は、船会社のインベントリー担当にとって全体量の増減の把握、コストの軽減を図れるしまた、古いコンテナを高く売れる 一石三鳥である。
リース会社の稼働率は相変わらず高く、96~98%を維持している。船会社からのコンテナの返却がほとんどないためである。 それは船会社がリーマンショック以降リース会社から安く借り入れたコンテナを返却しようとはしないと言うことである。しかし新造在庫がはけないため強気のリース会社も徐々に弱気になり、工場在庫を減らす努力をしている。今までの強気一辺倒から若干発注量を控えようとしている。その結果、中国メーカーが少し弱気になり販売価格を下げて、7月分のリース会社向け新造価格は20F当たり $2,750まで下がっているとのこと。
日本は福島原発の過剰な放射線の風評被害を海外から受けている。それも事故発生当初、日本政府、中央官僚組織が十分な外交対応をしていないためである。高レベルの放射線量が有るという理由で、3月16日、全日空の貨物機が大連空港で荷降できず引き返さざるを得なかった。3月22日には福建省のアモイ港でもMOLのコンテナ船が荷揚できず引き返す。やっと、4月28日に国土交通省が日本の輸出貨物についてコンテナの放射線の測定安全証明書を発行し、何とか各国の輸入制限が緩和され始めた。これも初めから福島の原発状況をオープンにすれば防げたはずである。想定外の自然災害で有れば恥じることは無いはずである。
政府、官僚とも恐ろしく内向きに見える。民間企業も内向きである。儲けを一人占めに出来ると考えるのか、世界から見ると日本そのものがガラパゴス化している。日本はいろいろな事を自由に言える社会であるが、一度組織ができると内向きなエネルギーが出て来て外圧に対抗しようとする傾向が有る。これも既得権の保守のためなのか。これでは世界に通用しない。香港、台湾、シンガポールの中国人仲間では友達の友達は友達であるという意識がある。その仲間に日本人も入れてもらえるのである。日本人が本来持っている優しさ、大らかさ、寛容さはについて、彼らは喜んで受け入れてくれる。もっと日本人は世界に出るべきである。もっと世界にいろいろなことを発信できる国で有るべきである。 海外に出るたびに世界は躍動していると感じる。その反対に日本は内向きになっているように感じ、全体に元気が無いように思う。震災を受けた時のいろいろな国からの励ましを見ても世界は日本人がもっと世界に出て来るのを待っているのである。