ほとんどの船会社は、2010年4月の第四四半期に当たり、リーマンショックからの負の遺産に目途をつけ新たなスタートを切りました。停船、減船、減速運航の効果の運賃維持、値上げに光を見つけ年後半の収益改善は目覚ましいものがもが期待できるのではないでしょうか?
それを後押しするかのような4月7日付けのShipping Guide(オーシャンコマース)新聞の一面トップの見出しの ”4月の米国小売業向けコンテナに動き8%増”と言う記事はこれからのマーケットを象徴しているようであります。オバマ大統領が打ち出した経済政策は強いドルへの転換をもたらし、アメリカの消費者の購買力を取り戻すことは間違いないと思われます。USA自体輸出産業に力を入れ将来に亘りかなりの物流が今後期待できるでしょう。
一方欧州はギリシャの経済危機に一応の目途をつけたものの、スペイン、アイルランド等まだまだ火種を抱えているがEUの成り立ちを考えると時間が問題を解決してくれるものと考えられます。欧州がUSAに次いで経済的な問題の解決ができればまた、全世界的なダイナミックな物流が期待できると考えます。
各リース会社は依然90%以上のコンテナの稼働率を維持しているものと考えられます。中国、アジアのコンテナ在庫は底をつき、発注意欲は強いものの思うようにコンテナメーカーに注文を出せないと言うか、コンテナメーカーが先行きのコンテナ価格の上昇について読み切れないから注文をあまり受けないと考えられます。リーマンショック前のメーカーで有れば問題なく製造ラインの拡張をし注文を受けていたであろうが、2009年のドライコンテナの注文がほとんど無かった一年間が彼らの態度を変えたのか、あるいはコンテナの価格をできるだけ引き上げるためであるか? 一方、当然一年間の生産ラインをストップさせたということは出来上がったコンテナの品質にも不安が出てることを考えなければなりません。
その結果リース会社は貴重な新造コンテはを極力長期リースで運用するように努めるであろうと考えられます。現在のコンテナ価格が20Fあたり$2,500となると、コンテナが一番安時に比べ、$1,000 以上も高いものとなり、船会社は当面自社購入を諦めリースコンテナで遣り繰りしようとするでことになると考えられます。それを見越したリース会社は手持ちの新造コンテナを温存し出来るだけ有利な条件で活用しようとするであろう思われます。2009年の第四四半期に20万teu弱の工場在庫がこの半年に全然無くなったとは考えにくいです。それもコンテナの冬場の従稼働期、及び経済復興期の時期であることを考えると本当かなと思います。
船会社は、減船、船のスピードのスローダウン等で使用コンテナ量減らず、北米、欧州からの持ち帰りがなかなかうまく出来ないのが現状です。その結果、中国、アジアでのコンテナ不足は当分解消の目途は立たないと思われます。そのため船会社、リース会社は古いコンテナを出来る限り長く使用するようになります。 そうすると中古コンテナのマーケットにコンテナがますます出てこなくなり、コンテナの売却価格はさらに上がることとなると思われます。今後、中古コンテナを使用して輸出されていカーゴに付いては中古コンテナ価格の上昇を見込んだコスト管理の準備を前もってする必要があると考えます。